【ゲーム音楽】ビット音楽の発展③:ポリゴングラフィックの登場
前回は、スーパーファミコンの時代でPCM音源がゲーム音楽にもたらした影響について書きました。
では、その後のゲーム業界はどのように進化したのでしょうか。
任天堂一強時代の終わり
スーファミに続くゲームコンソールと言えば、ポリゴングラフィックによる3D映像が印象的なニンテンドー64。
そしてゲーム機業界で任天堂社と対等に渡り合ったのが、ソニーエンタテインメント社によるプレイステーション、セガ社によるセガサターンなどでした。
3Dグラフィックに加え、音楽も打ち込みだけでなく生演奏を録音したものが登場し、当時からしたら衝撃でした。
スーファミの時代くらいまでは、コンソールメーカーがそのままソフトウェア作品でもヒット作を生み出すことが多かったです。
スーパーマリオ、ゼルダの伝説、メトロイドなどもすべて任天堂作品です。
プレイステーションのシェアを拡大する中で、ソニーエンタテインメント社もクラッシュ・バンディクーというキャラクターが主役のゲームを発表したりします。
ただ、3Dグラフィックの恩恵もあってか、コンテンツ力が勝負となった中でソフトウェア専門メーカーも以前に増して存在感を増してきます。
次回はそういったゲーム名作から生まれたゲーム音楽の名曲について紹介したいと思います。
【ゲーム音楽】ビット音楽の発展②:PCM音源による革命
前回は、ゲーム音楽の創世記としてファミコンの音楽について書きました。
逆に技術の制限があったからこそ、表現力や創造性の発揮された時代でしたが、後に技術発展によってゲーム音楽も大きな進化を遂げます。
16-bitとPCM音源の到来
スーパーファミコン、通称スーファミはその先代であるファミリーコンピュータ(通称:ファミコン)の後継機として発売されました。
この発売と同時にPCM音源が採用されました。
ファミコン時代はパルス波や三角波を使った電子音かつ同時再生4音だけだったろころから、PCM音源では同時再生8音に加え、生音を録音して再生する技術によって、本物の楽器に近しい音の再現が可能になりました。
ちょうどこの頃には、シンセサイザーなどでもPCM音源が採用され始め、電子音楽の表現の幅がかなり広がりました。
聴き馴染みのメロディでも、ファミコン時代と比べて大違いですね。
スーファミ時代にも数多くの名作が発売され、任天堂だけでなく他のゲーム制作会社もどんどんスーファミ市場に参画します。
特に全盛期のスクエア作品といえばファイナルファンタジー、ドラゴンクエストではないでしょうか。
スーファミのPCM音源ならではの編曲が見事ですね。
他にも、レア社の名作ドンキーコングシリーズでは、楽器音だけでなく動物の鳴き声なども交えたBGMは各ステージの世界観を見事に表現してますね。
こうやって名作と名曲をたくさん生み出したスーファミ時代ですが、任天堂1強の時代からソニーによるプレイステーションが登場します。
次回は更にゲーム機の進化について書きたいと思います。
【ゲーム音楽】ビット音楽の発展①:ファミコンの本気
最近、お家時間が増えて、ゲーム業界は逆に売上が伸びてるらしいですね。
今ではスマホゲームがかなり増えましたが、昔は専用のゲーム機とソフトを使った、いわゆるコンソールゲームが主流でした。
そして実はゲーム機の技術発展と共に進化してきたのがゲーム音楽でした。
8-bit時代のファミリーコンピュータ
ゲーム機の創世記とも言える時代に名を残したと言えば、任天堂のファミリーコンピュータが有名なのではないでしょうか。
当時の任天堂が制作したゲームタイトル達の中には、後にも人気シリーズとして続いてるものもあります。
この辺りのBGMは聞き覚えあるのではないでしょうか?
当時のゲーム音楽は、ファミリーコンピュータ本体のメモリ容量の制限により、同時に3つの音+ノイズの計4つの音までしか鳴らせませんでした。
例えるなら、3ピースアンサンブルとドラムのような構成でしょうか。
音色も、パルス波と三角波による電子的な音のため、かなり音表現に制限がありました。
その中でも、メロディ、和音、リズムを駆使した曲作りは、音の制約を忘れさせるくらい、ゲームの雰囲気を見事に表現しています。
ロックマンの曲などは、見事に疾走感と緊張感をつくりだしていて、ネット上でも人気曲として有名ですね。
ちなみに、ファミコンの技術を小型化して発売されたのがゲームボーイです。
ファミコン同様、8-bit音源によるBGMですが、見事な作曲ですね。
カフェミュージックでちょっと休憩
毎日ブログ書いてると、ふと一息つきたくなるときもありますね。
ちなみに、あなたにとってオススメの気分転換てありますか?
自分の場合は音楽を聴いたり、本を呼んだり、美術館に行ったりするのが好きですね。
カフェでゆったり
家にいるのも好きですが、実はカフェにいってコーヒーを飲みながら音楽を聴くのも好きだったりします。
カフェで流れてる曲って何か落ち着く選曲なことが多いですよね。
歌のある曲よりも、インストゥルメンタルの曲の方が気が取られないのでピッタリ。
ちなみに、カフェで流す音楽ってモノラルだって知ってましたか?
一般的には、臨場感を出すために左右に音のバランスを振ったステレオ音楽が主流で、イヤホン/ヘッドホンなどで聴くと良く分かりますね。
これが、ホームシアターのオーディオ設備とかだと左右のスピーカーからのバランスで、周囲全体から音が聴こえたりするのも、このステレオ音源の効果です。
ただ、左右が決まっているイヤホン/ヘッドホンや、正面が決まっているホームオーディオと違って、カフェ内には「向き」がありません。
つまり、左も右も人によって変わるので、ステレオ音源の前提が成立しない訳です。
そこで、店内のどの位置のどの向きで聴いても均一に音が聴こえる、モノラル音源が採用されています。
主役ではなくBGMとしての音楽だからこそ、技術的には難易度が低いモノラル音源によって、違和感のない工夫がされているのも奥が深いですね。
今度、カフェにいく機会があったら、音の聴こえ方にも注目して楽しんでみてください。
【ギター】6弦楽器という伝統⑧:ギターという楽器
これまで7回に渡って、ギターという楽器の歴史から、あらゆる種類のギターについて触れてきました。
そこには技術の進歩、音楽文化の変化など、歴史の動きとともに楽器という技術が発展したというのも面白いですね。
総括:ギターの種類について
改めて、3種類のギターについて以下にまとめてみました:
- クラシックギター:ナイロン弦、ホロウボディ、電気を通さない
- アコスティックギター:ブロンズ弦、ホロウボディ、電気を通さない(エレアコなど例外あり)
- エレキギター:ニッケル弦、ソリッドボディ(セミアコなど例外あり)、電気を通す
楽器の背景にある歴史や文化を辿ってみると、普段触れる音楽についても楽しみ方が変わるのではないでしょうか。
次回はまた違うテーマについて書きたいと思います。
【ギター】6弦楽器という伝統⑦:飛び道具系ギターパーツ
前回は、音楽ジャンルの変化とともに進化したギターのボディシェイプについて書きました。
ボディシェイプもある程度固まったところで、ギタリストやギターメーカー達は更に表現力を追求し続けます。
音程揺らすトレモロブリッジ
フェンダー社のストラトキャスターに搭載されたシンクロナイズド・トレモロというパーツによって、ギターを弾きながら音程を上げ下げする演奏法が広まりました。
元々ビグスビー社によるビブラートテールピースというのがありましたが、本格的に奏法として広まったのは量産ストラトキャスターのヒットの影響が大きかったと言えます。
ジェフ・ベック(Jeff Beck)などはトレモロに加え、ボリュームの上げ下げによって、ギターとは思えない唯一無二の音作りを実現してます。
Jeff Beck: Where Were You
このトレモロブリッジが主軸となり、後に幾つものメーカーによって改良や修正を加えたモデルが登場します。
その中でも今でも名高いのがフロイド・ローズ社によるロッキング式トレモロで、従来のブリッジと比べて摩擦によるチューニングの狂いを解消したものです。
当時はEddie Van Halenなどハード・ロック系のギタリストの間で広まりましたね。
Van Halen: Eruption
ギターは弦楽器じゃない!!電子楽器だ!
ある程度ギター製作の技術も確率してきた頃、それでもミュージシャンの創造力は限界を知りません。
1990年代に登場し、ヘヴィ・メタルやパンク・ロックのエッセンスを融合しながら独自の世界観を放つのが、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)やオーディオスレイヴ(Audioslave)のギタリストとしても有名なトム・モレロ(Tom Morello)です。
Tom Morello
ケーブル触りだした辺りからもはやギター関係ないですからね。
とは言え、ギター本体だけでなく、回路系統、ケーブル、アンプまですべてを1つの楽器として捉えた表現力には圧巻です。
好き嫌いは分かれるかも知れませんが、エレキギターの音作りの幅を教えてくれます。
これからも音楽表現の進化が進むのが楽しみです。
【ギター】6弦楽器という伝統⑥:ギターシェイプも表現力
前回は、エレキギターがホロウボディからソリッドボディに変化した過程について書きました。
発売当初はフェンダー社によるギターが一躍人気を得ましたが、やはりイノベーションの浸透にはミュージシャンの活躍が一役買ってます。
ジミヘンとストラトキャスター
今では最も造られているエレキギターのシェイプになりつつあるのが、ストラトキャスタータイプ。
当時、フェンダー社にとってはテレキャスターに改良を重ねたモデルとして発売されましたが、発表当時はすぐに人気は出ませんでした。
後にジミー・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)がストラトキャスターを使ったことで、一気に人気を勝ち得ました。
The Jimi Hendrix Experience: Voodoo Child
この頃から、足元のペダルを使って音を加工させる、エフェクターが使われ始めました。
特にワウペダルとファズ(歪み系)はジミヘンサウンドには欠かせませんね。
ハード・ロックと変形ギター
ストラトキャスターの大ヒットの最中、競合するギブソン社もよりモダンなギターモデルの開発に向けて研究を重ねていました。
その傑作の1つがフライングVと呼ばれるモデルです。
イギリスのハード・ロックバンドUFOのギタリストでもある、ドイツ出身マイケル・シェンカーが使っていたことでも有名です。
後にも、ハード・ロックやヘヴィ・メタルギタリストから愛されるギターシェイプの1つとなりました。
UFO: Doctor, Doctor
こうして1980年代くらいまでで、フェンダー社とギブソン社を中心にエレキギターのボディシェイプもある程度落ち着いて来ました。
後に創業された様々なギターブランドもこれら伝統的なボディシェイプを継承しているのがほとんどです。
次回は、本体の形状意外で進化を遂げたエレキギターの音作りについて紹介したいと思います。